こんにちは。エコル・kiyoshiです。
今日の昼ごろ、サマーゴンドラ山頂スタッフのマルさんが、「変わったチョウチョがいるよ・・・!」と知らせてくれたので、駆けつけてみると・・・

いました!アサギマダラです!!
サマーゴンドラ山頂駅舎の天井ドームの内側にとまっています。はしごで天井に上がって、捕虫網を振り回し、私を含むおっさん3人で大騒ぎをしてようやくつかまえました!

うわー、きれい!でかい!本当に変わったチョウチョです。
これがアサギマダラ。冬から春にかけて鹿児島県の喜界島などの南の島でたくさん見られ、夏になると本州の多くの高原やスキー場などに海を渡って移動してくる、という「旅をする蝶」です。
北海道では、道南の横津岳あたりでは比較的多く見られるようですが、ここニセコや道央圏では、飛来する数がとても少なく、ほとんど調査がなされていません。一説によると、北海道に渡ってきたアサギマダラは、冬を越すことができず、死んでしまうとされています。
ですが、アサギマダラの幼虫の食草となるイケマという植物は、ヒラフのゲレンデの中にもたくさん生えていますし、5月上旬に昆布町のカタクリの花にやってきたアサギマダラを私は見たことがありますので、もしかしたら北海道で越冬していたり、あるいは夏を北海道で過ごした個体が再び南下している例もあるんでないかな・・・?などと私は妄想しています。ですが、なんせかんせ、この地域でのこのチョウのふるまいについては、データが少なすぎるという状況です。
そこで、この蝶でよく行われている、「マーキング調査」に参加してみることにしました!

この写真のように、捕まえた日にち、場所等をアサギマダラの羽根にマジックインキで記入してから再び放し、次にどこで捕獲されるかによって、このチョウがどういう移動をしているのかを知ることができます。

アサギマダラが好むのは、この赤紫色の花、「ヨツバヒヨドリ」です。この花の蜜には、アルカロイドという毒成分が含まれていて、アサギマダラはこの花の蜜を吸うことによって、身体の中に毒素を溜め込みます。その毒で、鳥などの敵から身を守っているそうです。アサギマダラの身体がこんなにきれいな色をしているのは、鳥などに、自分が危険なチョウだと知らせるためなんだそうです。
ヨツバヒヨドリの花は、気候の冷涼な草原に多く自生する植物です。ここ、ニセコグラン・ヒラフのスキー場にも、ものすごい数のヨツバヒヨドリが咲いています!

とくに、エコルの周辺は、ヨツバヒヨドリだらけと言っていいようなところですので、道央圏ではとても珍しいこのチョウが見られる条件が整っています。
これまでにも、ヨツバヒヨドリの花が全盛を迎える、8月上旬~中旬にかけては、エコルの前で年に数回ですが、アサギマダラを見かけていました。
以前には、エコル周辺ネイチャーウォッチングでお客様を連れて歩いている最中に発見し、捕まえた、なんてこともありました。その時は、運悪くマジックインキを持っていなかったので、そのままそっと放しましたが、今日はしっかりマーキングをして、空に放しました。

放したアサギマダラは、元気よくフワフワと、ニセコアンヌプリの青空へと消えていきました。
今日マーキングした個体が、どこかで再び発見されるといいですね!

さてさて、エコルの前のダケカンバの足もとでは、ここ数日の雨で勢いを得たきのこが、落ち葉の中から「コンニチハ」していました!

こちらの写真は、今朝、なじみのお客様をアルペンホテル前のトドマツ林ウォッチングにお連れした際、見かけたきのこです。接写で写しているのでサイズがわかりにくいですが、傘の直径はほんの2~3ミリ!とっても可愛いきのこでした。
森の中や、エコルの周辺では、恵みの雨を受けて、活気づいてきたきのこちゃんたちが見られますし、夏の花も満開です!ゼヒみなさま、今年の夏もエコルのネイチャーウォッチングをお楽しみ下さい!

ところで、今日から18日まで、サマーゴンドラは延長営業をしております。8:30から営業が開始し、営業終了は18:00まで。今日の営業終了時間まぎわ、激しく移動するガスの中、ニセコの山の端に沈む太陽が、とても幻想的な姿を見せてくれました。
今日は下は蒸し暑かったですが、エコルは涼しくて、すごーーーく快適な空気でしたよ!
明日も多くのお客様のご利用をお待ちしております!