Snow & Wind Discover life in nature

Snow Photo: ©︎aaron_jamieson_

雪の季節から風の季節へ、
ニセコで暮らすように旅する

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ニセコへ旅をする。
春に芽吹く花々、
夏の山から吹く涼やかな風、
秋の山々の紅葉、
冬はパウダースノーが舞い降りる。
広大な自然の中で、
日本が誇る四季をこんなにも美しく感じる。

風景を眺めるだけでなく、
その風景で暮らす人々との出会いと、
その文化や感性を通して、
自然と共に生きる喜びを知る
特別な体験が待っている。

訪れるたびに積み重なる時間が、
自然や人々とのつながりを深めていく。
やがて、この場所が
あなたの第二の故郷になるように。

ニセコへ旅をする。
自然と暮らすように旅をする。

Nature

Photo: ©︎aaron_jamieson_

Photo: ©︎toshi_pander

一年を通して
豊かな表情を見せてくれるニセコ。
はるか昔から続く自然の営みが織りなす
悠々とした時間が迎えてくれる。
雪景色だけではない、
四季折々の情景を訪れよう。

Nature

01

色鮮やかに
移ろう季節

訪れる時期によって、
まったく違う姿で迎えてくれるニセコの自然。
冬と夏の気温差が季節にくっきりとした輪郭を持たせ、
日本らしい四季折々の表情で魅了する。

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一気に色めく春

日が長くなり厳しかった寒さが和らぐにつれ、ニセコにも春の気配が訪れる。真っ白だった風景は雪解けと共に一変、雪の下に隠れていた草花が息吹き、大地は生命の輝きに彩られる。

鏡 沼

この時期だけの楽しみが、残雪と新緑の色彩のコントラスト。「鏡沼」では、山並みに残る雪を眺めながら、咲き誇る高山植物を探索できる。

三島さんの芝ざくら庭園

三島さんがご好意で一般開放している「三島さんの芝ざくら庭園」は、5月下旬〜6月上旬が見頃。約4000平方メートルの敷地一面をピンク色の絨毯が埋め尽くす。

緑あふれる夏

昼間も涼しく湿気が少ないニセコの夏は、避暑に最適なシーズン。短い夏を謳歌するように自然はより活発さを増し、爽やかな気候と共に訪れる人々の冒険心を誘う。

積 丹

ニセコから1時間半ほど車を走らせると、驚くほど青く澄んだ「積丹」の海が迎えてくれる。夏の陽差しに輝く積丹ブルーと奇岩が魅せる絶景は、一見の価値あり。

ニセコアンヌプリ

冬の間スキーヤーたちを楽しませた「ニセコアンヌプリ」の風景も、白から緑へと一変。心地よい風に吹かれて草木がきらめく高原風景が広がる。

染まりゆく秋

短い夏が終わると、本州よりひと足早く9月下旬頃から紅葉がはじまる。自然との距離が近いため少し歩くだけで静寂に包まれ、深まる秋を心ゆくまで堪能できる。

半月湖

火山活動の影響で半月の形になったとされる「半月湖」の湖畔へは、駐車場から徒歩で15分。黄や赤に染まる木々が湖面に映る幻想的な風景を散策できる。

ニセコパノラマライン

ニセコと岩内をつなぐ「ニセコパノラマライン」。変化に富んだ地形をドライブしながら、ニセコ連峰の紅葉を楽しめる。

純白に覆われる冬

気温がぐんと下がり初雪が観測されると、本格的な冬もすぐそこ。毎日のようにパウダースノーが降り続き、一面真っ白な銀世界と化す。

羊蹄山

ニセコを象徴する「羊蹄山」も雪化粧。向かいのゲレンデ頂上からは、裾野に銀世界が広がる絶景が眺められる。

洞爺湖

日本国内で3番目に大きなカルデラ湖である「洞爺湖」。中央に浮かぶ中島には雪が降り積もり、その神秘的な姿が澄んだ湖面に映り込む。

Nature

02

海と山をめぐる
水の旅

世界中から訪れるスキーヤーを魅了して止まない
パウダースノー。そして大地に降り注ぐ雨。
その恵みは、山を潤し、川へと流れ、
やがて海へと還ってゆく。

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地形や周辺環境が
もたらす降雪量

年間降雪量が15mにも及ぶニセコは、世界でもトップレベルの豪雪地帯。シベリア大陸からの強い寒気が、日本海で温かな対馬海流の水蒸気を吸収しながら雪雲を形成。その湿った空気がニセコ連峰にぶつかり、山肌を上昇しながら冷やされ、大量の雪となり降り積もる。

豊富な降雪量と寒冷な気候がもたらすパウダースノー。水分量が少ないため非常に軽く、歩くだけで舞い上がるほどふわふわ。

昨シーズンは、2023年12月から2024年1月にかけて26日連続で降雪を確認。

数十年かけて
磨かれた水

冬の間に降り積もった雪は、自然環境にとっても欠かせない水資源となる。とくに羊蹄山は名水の里とも呼ばれ、雨や雪が溶岩や火山灰の中に染みわたり、何十年もの歳月をかけて地下に浸透し、濾過。 標高約250メートルにある溶岩と粘土層の境目あたりで地表に湧き出る。

カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が程よく溶け込んだ湧水は、 年間を通して水温が一定でまろやかな超軟水。

京極町の「ふきだし公園」は、最も有名な湧水スポット。 国内でもトップクラスの1日当たり約8万トンの湧水量を誇る。

湧水を集めて流れ、
日本海へ

フレ岳に源を持つ尻別川。アイヌ語の「シリ・ペッ(山に沿って下る・川)」が由来ともされ、羊蹄山の山沿いを湧出する豊富な水を集めながら倶知安町を通り、やがて日本海へ。その水は再び雪となり、ニセコの山へ降り積もる。

国土交通省が認定する「清流日本一」に計7回輝くなど、「尻別川」の透明度と水質は国内トップレベル。

良好な河川環境は多種多様な魚を育む。雪解け水で鍛えられたニジマスは地元の釣り人にも人気。

People

自然に抱かれ、その恵みを享受しながら、
ニセコで暮らし働く人に
ライフスタイルについてインタビュー。
住んでいるからこそ感じる魅力、
ローカルおすすめのスポットなど、
旅を楽しむヒントを教えてくれる。

People

01

自然を消費せずに
楽しむ

四季折々の個性豊かな景観を見せてくれるニセコの山々。
その雄大な自然の魅力を訪れる人々へと伝える、マウンテンガイド・コヨーテ
代表 古市竜太さん。登山もスキーも自然がないとできないからこそ、
持続可能な観光を目指した活動にも力を注ぐ。

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Interviewee Profile

古市 竜太 さん

マウンテンガイド・コヨーテ代表 / ニセコ羊蹄山岳会代表

千葉県出身。大学卒業後、北海道旭川市の企業に就職。転勤を機に倶知安町に移り住み、後にガイドの道へ。マウンテンガイド・コヨーテを立ち上げ、夏は登山、冬はバックカントリースキーなどのガイドとして活動。2015年よりニセコ羊蹄山岳会代表。

自然を求めて
北海道で就職。
倶知安でガイドの道へ

― ご出身は千葉県なのですね。

千葉県八千代市です。祖父の影響で子どもの頃から自然とふれあう機会が多く、自然が多い場所を求めて旭川市の農業関係の会社に就職しました。その後転勤で倶知安町に来たのですが気に入ってしまい、退職して数年間はアウトドアガイド会社に所属してガイドを務め、2006年にマウンテンガイド・コヨーテの前身となる事業を立ち上げました。

― ニセコのどんなところが気に入ったのでしょうか?

羊蹄山をはじめ山のある風景にまず魅せられました。会社員のままでいると他の場所へ転勤になる可能性もあり、住みたい場所に住めない。それなら脱サラして自然が近い場所でガイドになろうと。実家が本州なので他の土地も見て回ったのですが、ニセコがいいなと改めて感じ、ここではじめることにしました。

― 休日はどのように過ごしていますか?

子どもの頃から縄文の精神性のようなものに親近感を抱いていて、世界文化遺産にも登録された北東北と北海道の縄文遺跡群を訪れたり、縄文野焼きのイベントに参加したり、妻も縄文が好きなので一緒に探究を楽しんでいます。縄文の文化に現代のテクノロジーを組み合わせた生活が理想で、畑で野菜をつくり、ソーラー発電で電気をつくり、できる範囲で自給しながら自然環境への負担を減らす暮らしを試みています。

持続可能な観光を
目指して

― 山岳ガイドになろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

自然というフィールドにみんなが参加する場づくりをしたかったんです。その方法としてガイドがいいかなということではじめました。登山やスキーを通して自然を知り、好きになってもらえたら、それを護ろうという気持ちにもつながるのではないかと思っています。

― ガイドを付ける良さはどんなところでしょうか?

個人で周るとコースタイムくらいしか尺度がなかったり、案外視野が狭くなりがち。ガイドを付けることで、自分では気づけないような発見があり、登山を立体的に楽しむことができます。ニセコのガイドたちはそれぞれ得意分野が異なるので、どのガイドと歩くかでぜんぜん違った登山になるはずです。

― 自然と深く関わるお仕事ですが、心がけていることはありますか?

登山もスキーも全ては自然がないとできない、自然が源泉のもの。持続可能な観光を目指して、自然資産を減らさないための活動をしています。美しい山々もトレイルがなければ、登山をする人にとっては存在しないも同然。燃料や道具を背負って登山道を整備する活動を続けています。その他にも、生態系に影響を与えてしまう恐れのある外来種の除去活動を行なっています。

山を知り尽くした
プロが
おすすめする
コースは?

― ニセコの魅力はどんなところでしょうか?

実家が本州なので、アプローチしやすいところがいいですね。千歳空港までも2時間半で行けます。暮らしのすぐそばに一級の自然が存在しているというのも奇跡。山も川も湖も思い立ったらすぐ行ける距離にあるので、仕事の前にスキーを1本滑って出社する方も多いです。
とくに羊蹄山やアンヌプリ山系の高層湿原は、国内でも貴重な自然環境が残る場所。自然には、一度植生が失われると元に戻らない脆弱な自然と元に戻る自然の2種類があり、山頂部や湿原は前者。そして脆弱な自然ほど美しい景観を見せてくれます。

― ニセコに来たご友人をガイドするならどこへ案内しますか?

健脚な人なら、小屋泊で羊蹄山です。高く登るほど展望が広がり、海まで見渡すことができます。1日目は9合目の避難小屋まで行き、日本海に沈んでいく夕陽を眺めながら温かい汁物とごはんで夕食。暗くなり運が良ければ、夜の海に浮かぶイカ釣り漁船の漁火まで臨めます。
小屋泊はちょっと難易度が高いという方なら、神仙沼、長沼を通るチセヌプリ軽登山も岩登りなどコースにバリエーションがあって楽しめます。

Contact

マウンテンガイド・コヨーテ
〒044-0004 北海道虻田郡倶知安町北4条東8丁目21−5
https://www.mg-coyote.com/

People

02

ニセコをゲストの
第二の故郷に

ペンションオーナーであり倶知安観光協会会長、
さらにクラフトスキーメーカーも手がける二川原康平さん。
ニセコで育ち、ニセコのために働く。
エネルギッシュな日々の先に見つめる、ニセコの未来とは?

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Interviewee Profile

二川原 康平 さん

ペンショングラン・パパ オーナー / 倶知安観光協会会長

北海道札幌市出身。4歳からニセコで育つ。学生時代からアルペンスキー選手として活躍し、ドイツ留学も経験。札幌市での大学進学、旅行会社勤務を経てニセコに戻り、ペンショングラン・パパを父から引き継ぐ。2024年5月より倶知安観光協会会長。南北海道の広葉樹を使用したクラフトスキー Tief Powder Ski代表。

ニセコの
移り変わりと共に

― 子どもの頃のニセコはどんなところでしたか?

昔この辺りはペンション街だったんです。現在はコンドミニアムや別荘が増えて、ペンションは当時の10分の1くらいに減ってしまいました。グラン・パパは建物もオープン当時のまま。ここだけが変わらず、周りの風景はガラッと変わりました。

― 一旦は就職されて、いつかはペンションを継ぐと決めていたのでしょうか?

当初戻る予定はありませんでした。札幌市の旅行会社に勤務していたのですが、休みになるとニセコに戻ってスキーのインストラクターをしていたんです。学生時代にやっていたアルペンスキーは氷に近いような雪で行われるので、ニセコのパウダースノーをちゃんと滑ったのもこの頃。雪質も良いしバックカントリーもできる、スキーを楽しむ環境が整っている点に魅力を感じてはいました。ちらほらと外国からのお客さまが来はじめた頃で、彼らが言うには「ニセコはこれからすごいことになる」と。もしかしたら可能性があるかもしれないと、ペンション経営を継ぐことに決めました。

― 国際的なスキーリゾートになることを早くから予想していたのですね。

そうですね。確信まではいきませんが…… ドイツに留学していたおかげで語学もできましたし、前職が旅行会社だったので、情報も得やすかったですし動きも割と早かったと思います。
WEBサイトも一から自分で制作するなど、今後増えてくる外国からのお客さまを想定して経営の仕方を切り替えました。夜は外食する方が多いので、本場スイスのチーズとニセコのポテトスターチを合わせたオリジナルのチーズフォンデューを楽しめるレストランもはじめました。

理想の板を求め、
クラフトスキー
メーカーをスタート

― スキーで全国大会へ出場した経験もあるとうかがいました。

学生時代は、アルペンスキーで国内外の大会に遠征していました。引退した後もスキー雑誌やポスターのモデル活動をするなど、スキーがある生活をずっとしています。
ニセコに戻ってからのシーズン中はペンション経営があるので、お客さまをスキー場へ送迎したら雪のコンディションが良ければ自分も1本滑って戻ってくるというのが日課になっています。忙しい冬が終わった後、春に開催されるローカルのスキーレースも楽しみのひとつです。

― Tief Powder Skiはどういった経緯でスタートしたのでしょうか?

ニセコのようなパウダースノーに適しているとされるロッカースキーですが、ターンの際安定感に欠けるという弱点があります。ロッカーではないナチュラルな板で、カービングと深雪スキーを両立した板があればいいのにと思っていました。コロナ禍で時間ができたタイミングで、自分で作ってみようと思い立ち工場にコンセプトを伝えたところ「できるよ」と言ってもらえ、実現に向け動きはじめました。この地域のダケカンバや栓の木を芯材に使用し、リアルな木目を活かしているため、ひとつとして同じものがない点も魅力です。

― どういった方がお求めになるのでしょうか?

尖ったコンセプトの板なので、一気に広めるというよりもコアな層に喜んでもらえたらと思っています。グラン・パパでもレンタルでお試しいただけるのですが、オーナーが板を作っている宿なんてなかなかない。マニアックなお客さまも多いですし、私自身もそういったスキーヤーたちとの会話を楽しみにしています。

観光と地域をつなぎ、
ニセコをゲストの第二の故郷に

― 観光協会の会長としては、どういった業務があるのでしょうか?

就任直後は、関係各所への挨拶まわりでとくに忙しかったですね。観光施策についてのアイデアを持ち寄ってメンバーと協議するなど、これからのニセコのために頭と体をめぐらせる日々。長期で滞在されるお客さまが多いので、最近はそういった方たちが集える場や地域に参加できる場をつくれないかと考えています。ただの観光地ではなく第二の故郷のような存在になれないかと、ニセコならではの価値の可能性を探っています。

― ペンション経営、クラフトスキー、観光協会とお忙しそうですが、日々の楽しみはありますか?

つまみを作ってワインを飲むことがささやかな楽しみです。冬はペンションが忙しく凝ったものは作れないので、レストランでメインでお出ししているチーズフォンデューが定番。夏は釣った魚をアクアパッツァにして白ワインと。同業の友人たちと集まることも多いです。

― ニセコにご友人が来たらどこへ案内しますか?

夏の楽しみでもある釣りやカヤックですね。弁慶岬までカヤックで行くと、ヒラメやソイなどのロックフィッシュがよく釣れるんです。雪解け水が流れ込む雪代の時期の尻別川もおすすめ。冷たい水に鍛えられたニジマスは引きが強く、地元の釣り人にも人気です。野菜もその時期その時期で旬のものが出回るので、ニセコに来たらぜひ味わって帰って欲しいです。

Contact

ペンショングラン・パパ
〒044-0089 北海道虻田郡倶知安町ニセコひらふ2条1丁目16−54
https://grandpapa.co.jp/

People

03

人と人をつなぐ
美味しい時間

ニセコの大自然の中に佇むCucina italiana Santoを
シェフであるご主人と共に切り盛りする渡邊 千亜希さん。
まっすぐでフレンドリーな人柄がつくる温かな雰囲気の中、
初めて会ったゲストの間にも自然と会話が生まれる。

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Interviewee Profile

渡邊 千亜希 さん

株式会社SWELL 取締役

東京都出身。成人後、オーストラリアやドイツなど語学留学をしながら様々な土地を旅し、2018年にニセコ町へ移住。2022年よりCucina italiana Santoを営む(株)SWELL 取締役。Santoでは、運営及び接客を担当する。

人と自然に導かれて
ニセコに移住

― ニセコに移住するきっかけは何だったのでしょうか?

東京に住んでいたのですが、20代の頃からワーキングホリデーで海外へ行くようになり、都会より自然が近いところが自分には合っているなとは感じていました。ただニセコに住むに至ったのは、コレといったきっかけがあるわけではないんです。最初に滞在したのは10年ほど前で、ワンシーズンだけアルバイトをしました。その後も機会があり冬のニセコを楽しんでいたところ、ニセコ在住の友人から「夏もいいからこのまま住みなよ」と言われ、四季を通じて滞在するようになり、気がつけば今に至ります。

― Santoで働くようになったのはいつからですか?

Santoの前身であるSWELLの頃、知人でもあった当時のSWELLオーナーに私にぴったりだからと勧められてアルバイトとして入りました。お店の雰囲気を変えたいという思いがあったようです。SWELLは倶知安町の街中にあったのですが建物が老朽化で取り壊されることになり、2022年に現在の場所へ移転するタイミングで法人化しました。シェフの渡邊と公私共にパートナーとなったのもこの頃です。Santoではサービスや予約の管理など、料理以外のあらゆることを担当しています。

― 自然に囲まれた素敵な場所ですよね。

ここにいるだけで季節を感じられますし、ほんとうにいい場所が見つかったなと思います。昨日まで何もなかったのに出社したら一面にたんぽぽが咲いていたり、夏には青々としていた葉っぱが紅葉し、落ちて冬の訪れを教えてくれる。移り変わる風景を眺めるだけで癒されます。
ただ冬の自然はときに厳しいので、無理をしないということも学びました。天気が悪ければプランを諦めるし、お店に関することでもやむを得ない状況をお客さまにご説明し変更させてもらうこともあります。

国籍も職業も関係なく、
お客さまみんなが
ファミリー

― どのようなサービスを心がけていますか?

来てくれたお客さまは国籍や職業も関係なくみんな一緒、Santoのファミリー。いかに楽しい気分で帰ってもらえるかということを考えて接客させてもらっています。スタッフとお客さまの距離も近いですし、違うテーブルにいたお客さま同士が仲良くなったりという光景もよくあります。ありがたいことに常連さまも多いですね。

― Santoの魅力はどんなところでしょうか?

まず賄いがとびきり美味しいこと。そして、普通に生活していたのでは出会えないような人たちと交流できることです。いろいろな国からやってきて、それぞれの人生がある。ここまで多様な人たちが集まっている場所は、日本でもニセコだけではないでしょうか。そういった様々なバックグラウンドを持つお客さまに、「このお店最高だよ」「美味しかったからまた来たよ」と言ってもらえた時がいちばん幸せです。

― 内装の雰囲気もとても素敵ですよね。

ありがとうございます。イタリアらしい色使いのインテリアが好きなので、派手なのに居心地いい空間というのを目指しています。私たちの友人の中に塗装業や大工をしている方がいるので、微妙な色合いなどイメージを伝えて形にしてもらいました。ワインセラーも友人作ですし、いまのSantoがあるのはここで出会った人たちのおかげです。

同業者とつながり、
ニセコを食で盛り上げる

― 地元がニセコの方との交流もありますか?

地域で食関係を営む仲間たちとSantoの庭でお祭りを開催したり、ニセコのイベントとしてフードフェスティバルができたらいいねと話をもらって交流も兼ねてのBBQに招待していただいたり。ニセコで昔からお店をやっている方も、私たちのように移住してお店を開いた方もいますが、垣根のようなものもなく、一緒に盛り上げていこうという雰囲気があります。

― 休日にはご友人や仲間と過ごすことが多いのでしょうか?

小樽やニセコ近辺でも開催されるワインの試飲会に参加したり、何かと交流の場にいることが多いかもしれません。音楽好きな人が多く、音楽関係のパーティなどのイベントで自然と輪が広がっています。またニセコは温泉が豊富でそれぞれ泉質も違うため、湯めぐりも楽しみのひとつ。お気に入りの温泉で友人とばったりなんていうことも良くあります。

― ニセコにご友人が来たらどこへ案内しますか?

私自身も動物が好きなので、午前中はダチョウ牧場と木嶋牧場をはしごして動物たちに癒され、Santoと同じ敷地にあるハックルベリーファームで飼われているポニーのくーちゃんにもご挨拶。地元でも大人気の食彩中華シェイシェイでランチをしたら、春夏は友人の武田屋ラフティングで川下り、秋冬はスノーボートやそり滑りを楽しみます。

Contact

Cucina italiana Santo
〒044-0078 北海道虻田郡倶知安町樺山259
https://cucinaitalianaswell.com/

People

04

畑から羽ばたく
ニセコ名物

羊蹄山を望む絶好のロケーションに広がる農園 ニセコテイスティ。
3年前に新規就農し、代表を務める中村大祐さん。
地域に根ざした活動で地元農家さんとの関係を築きながら、
ニセコの農業に新しい風を吹かせる。

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Interviewee Profile

中村 大佑 さん

ニセコテイスティ代表

北海道石狩市出身。大学卒業後、神奈川県の半導体メーカーにエンジニアとして就職。退社後、3年ほど海外や日本国内を放浪した後、ニセコ町に移住。地域おこし協力隊として農政課に配属。2021年に新規就農し、ニセコテイスティ代表を務める。

地域と人とのご縁がつながり
ニセコで就農

― エンジニアからなぜ農家になろうと思ったのですか?

半導体エンジニアだった頃は、仕事で1年の半分くらい海外へ行くような生活でした。地に足がついていない感じというか、何十年もこの生活は続けられないなと。退職して、ワーキングホリデーでオーストラリアのバナナ農園で働いていた時に、生きる糧になるものを一からつくる唯一無二の仕事だなと、農業に興味を持ったのはその時です。それから数年してニセコに移住する際には、農業をやろうと決めていました。

― ニセコに移住したきっかけは何だったのでしょうか?

海外から帰国した後、石狩から九州までヒッチハイクをしたのですが、出発して割と最初の頃にニセコに立ち寄りました。羊蹄山がどーんとあるこの風景に圧倒されてしまって。その後も日本各地の素晴らしといわれる場所をめぐったものの、結局ニセコが忘れられずに移住することに決めました。最初の1年は隣にある真狩村の農家さんで住み込みのアルバイトをし、その後ニセコ町の地域おこし協力隊として農政課に配属され、農家さんたちのお手伝いをしながら学ばせてもらいました。

― 就農はハードルが高い印象がありますが、順調に進んだのでしょうか?

協力隊を卒業したら就農したいとは思っていたのですが、畑がないと農業ははじめられません。そんな折にご縁があって土地の持ち主である遠藤さんと知り合い、農業をしたいと話したところ遊休予定だったこの土地を譲ると言ってくれたんです。出会って間もない、親戚でもニセコ出身でもない僕に大切な土地をバトンタッチしてくれるなんて、本当にありがたいこと。地域おこし協力隊での経験や実績を買ってもらえ、無事に就農できました。

いつかニセコを
代表するお土産に

― ニセコテイスティではどんな作物を栽培しているのでしょうか?

主に、ミニトマト、スイカ、サツマイモです。北海道の芋といえばじゃがいもが特産ですが、昨今の気候の変化を受けて北海道が新たに推奨する農作物の中にサツマイモがあります。じゃがいもと違ってサツマイモ栽培は機械化できないため手間がかかりますし、糖度を高めるためには収穫後も寝かせる必要があり時間もかかります。

― 手間暇かけたサツマイモがほし芋になるのですね

野菜は料理しないと食べられないので、買ってすぐに食べられるものを作りたくてほし芋への加工をはじめました。遠藤さんが切り干し大根に使っていた乾燥機を残してくれていたのも運が良かった。閑散期にあたる冬の間は、ひたすらほし芋を作っています。ニセコに来たらニセコテイスティのほし芋だよねとみんなに認識してもらえるような、ニセコ土産にしたいという野望を密かに抱いています。

― 自然や気候に左右されるお仕事かと思いますが、大変なことはありますか?

サツマイモは収穫前に大雨が降ると水分が増えて味が薄まってしまうので、収穫時期の気候は気になります。ただ思い浮かぶのはそれくらいで、実はそれほど大変じゃないというのが正直なところ。農業の大敵である台風が来ても山間なので雨風の被害をそれほど受けずに済むことも多いですし、環境の恩恵を感じます。

世界にも負けない山並みを
毎日眺められる幸せ

― ニセコでの暮らしはいかがですか?

ネパールやパタゴニアなど海外で見た名だたる山並みの眺めも素晴らしかったけれど、ニセコの羊蹄山や周囲の山々もまったく負けていない。この風景を日々見られるだけで幸せです。日の出前に家を出るようにしているのですが、畑は朝日と羊蹄山を眺められる最高のビュースポット。毎日眺めていると太陽が昇る位置が少しずつ移動するんです。年に一度だけ頂上から朝日が昇る光景も見られます。

― ニセコにご友人が来たらどこへ案内しますか?

都会からの友人も多いので、ニセコが初めてなら北海道らしい場所へ案内することが多いですね。まずは高橋牧場で、牧草ロールの上で山並みをバックに写真を撮り、ソフトクリームを食べてという王道コースをしてもらって。新しくできたジップラインは、僕もまだ行けてないので気になります。ニセコは海も近く海鮮系が新鮮で美味しいので、近場なら鮨 花吉さん、少し足をのばした神恵内村にある有名人もお忍びで来るというお寿司屋さんもおすすめです。

Contact

ニセコテイスティ
〒048-1544 北海道虻田郡ニセコ町元町95−4
https://www.instagram.com/niseko_tasty/

Stay

Photo: ©︎aaron_jamieson_

地元の人たちのように
自然の厳しさや優しさを感じながら、
暮らすように旅をしてみる。
日常に触れた瞬間、
心に灯る懐かしく温かな感情。
滞在を終える頃には、
またここに帰ってきたくなっているはず。

Stay

01

暮らすように
過ごす

自然と共に生きるニセコの人々。
ローカルに混ざり暮らすように過ごしてみると、
この土地の新しい魅力が見えてくる。

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もうひとつの
わが家のように

ロングステイにおすすめなのが、自宅のように過ごせるコンドミニアム。フルキッチン、家具家電、広々としたバスルームなどが揃い、日常と変わらない滞在が叶う。

客室露天風呂やパノラマビュー、戸建てなど、さまざまなタイプから選ぶことができる。

旅は朝

日中とは違った景色を見ることができる朝。いつもより少し早起きして、澄んだ空気が心地よい朝のニセコへ出掛けてみよう。

朝食前に羊蹄山が望めるビュースポットまで散策。朝霧に包まれた幻想的な姿にも出会えるかもしれない。

散歩がてら足を伸ばしてカフェでモーニング。三角屋根がかわいらしい「Graubunden」では、朝8:00から朝食メニューや自慢のサンドウィッチをいただける。

地元野菜で料理

道の駅などの直売所では、収穫したばかりの新鮮な野菜が手に入る。地元の食材で簡単な料理を作り家族や友人と囲めば、どんな高級レストランよりも思い出に残るはず。

じゃがいも、ミニトマト、トウモロコシなどの主要作物の他、さまざまな野菜が栽培されている。直売所で迷った時は、今の時期のおすすめを尋ねてみよう。

自然の恩恵をたっぷり受けた旬の野菜は、シンプルに調理するだけでご馳走。地元のお酒と合わせていただきたい。

温泉でローカルに浸る

北海道を代表する温泉郷でもあるニセコには、日帰り入浴ができる温泉施設が点在。豊富な泉質も魅力なので、湯めぐりも楽しい。

綺羅乃湯

ニセコ駅にほど近く自然に囲まれた「綺羅乃湯」など地域に根ざした温泉施設では、地元の方々との交流も楽しみのひとつ。

五色温泉

温泉の色が五色に変化することから名付けられた「五色温泉」。ニセコアンヌプリの麓に位置し、露天風呂からは雄大な山並みを望むことができる。

Stay

02

自然に育まれた
地元グルメを味わう

山々に囲まれ、海にも程近いニセコは、食材の宝庫。
朝と夜の寒暖差により野菜は甘さと旨みを増し、
日本海から身の締まった新鮮な魚介が届く。
ローカルにも人気のグルメスポットで、
ニセコの美味しさを堪能しよう。

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くつろぎの空間で
旬をいただく

ニセコの味覚を気軽に味わえるレストランやカフェ。厳選した食材を使用し丁寧に作られた料理は、舌も心も満たしてくれる。

鮨 花吉

その時いちばん美味しいネタを求めて、近隣の漁港から北海道各地の漁港まで産地を見極め、店主自ら市場で仕入れる。熟練の職人の技が光る寿司は、滞在中一度は味わいたい。

WHITE BIRCH CAFE

どこか海外のような雰囲気も漂うニセコ町中心部の小さなカフェ。自家焙煎コーヒーに合う、地元の食材を使用したサンドウィッチや手作りのスイーツが並ぶ。ランチタイムのハンバーガーも人気。

素材を活かして
新しく作る

素材の魅力を引き出し、または素材から栽培し、オリジナルな商品を生み出す作り手も増えている。おしゃれなパッケージはお土産にもぴったり。

nicao

ニセコ初のBean-to-Bar チョコレート。地元のジンジャービアブランドHAKKO GINGERの生姜などを使用したハッコージンジャー、ニセコ産の唐辛子を使用したチリ&シーソルトなど、厳選カカオ豆と地元素材とのマリアージュが新しい。

ニセコワイナリー

羊蹄山の麓から、ここにしかない一滴を届けるニセコ唯一のワイナリー。有機栽培のブドウのみを使用したニセコオーガニックスパークリングワインは、その豊かな香りと繊細な泡立ちで食卓を彩る。

絶景の中で美味しい体験

牧場や農園では、雄大な景色の中で搾りたて採れたての美味しさに出会える。ドライブの途中で立ち寄りたい、ファミリーにもおすすめのスポット。

ニセコ高橋牧場

牧場に併設された広大な敷地にカフェやレストラン、ショップが並ぶ。搾りたての牛乳を使用したスイーツを頬張ったら、牧草ロールの上で記念撮影を。

ニセコテイスティ

羊蹄山を望む絶好のロケーション。直売所には採れたて野菜がずらりと並び、生産者との会話を楽しみながら購入できる。サツマイモを加工したほし芋はファームの特産品。

Activities

ニセコでの滞在を
より思い出深くしてくれる
バラエティ豊かなアクティビティ。
大切な仲間と、経験豊かなガイドと、
大自然の中を滑り、歩き、走り、漕ぐ。
その体験は、あなたと自然の距離を
ぐっと縮めてくれる。

Photo: ©︎yuuyadayoo / Skier: yuto3146

Activities

01

思う存分、
雪に魅せられる。

滑るほど虜にさせてしまうニセコの“パウダースノー”。
ときにはスキー以外のアクティビティも楽しみながら、
世界一とも評される雪をとことん満喫したい。

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Scroll

来年も帰ってきたくなる
ゲレンデ

パウダースノーの醍醐味を最大限味わうなら、スキーはもちろん外せない。「ニセコユナイテッド」の多彩なコースと極上の雪質に魅了されたリピーターたちが毎年のように訪れる。

ニセコユナイテッド

4つのスキー場からなる「ニセコユナイテッド」は、板を履いたまま移動できるスキーリゾートとしては日本最大級。国内では類をみないスキー場外の滑走ルール「ニセコルール」が定められている。

ニセコ東急 グラン・ヒラフ

コースバリエーションが豊富な「ニセコ東急 グラン・ヒラフ」。木々の間を滑り降りるツリーランもレベルに合わせて楽しめる。

家族や仲間との時間を楽しむ

スキー場の魅力は、豊富なコースだけではない。美しい雪景色の中、スキー板を脱いで家族や仲間たちと過ごす時間も、滞在中の楽しみ。

ふわふわのパウダースノーは転んでも痛くないため、子どもたちにとっても絶好の遊び場。気温が高い日は雪が水分を含みやすいため、雪だるま作りにも最適。

SANSHOKU

ニセコ東急 グラン・ヒラフのキングゴンドラ山麓に位置するカフェバー「SANSHOKU」では、モーニング、ランチ、アプレタイムまで、雪を眺めながら食事とドリンクを楽しめる。

喧騒を離れてのんびり探索

賑やかなゲレンデや街を離れ、スノーシューや乗馬で白銀の森をトレッキング。鳥の囀りや動物の気配に耳を澄ませながら、自然にこっそりお邪魔させてもらっているような感覚を味わえる。

氷に覆われた湖、雪が積もった白樺林や常緑樹林など、冬の北海道らしい風景の中をガイドの案内でゆったり探索。

乗馬体験

最初は緊張するものの、雪を踏むリズミカルな馬の足取りが次第に心地よくなる。高い目線から眺める雪景色も新鮮。

Photo: ©︎silvainc

Activities

02

涼やかな風の中で、
大自然を体感

快適な気温で過ごしやすいニセコの夏は、
アクティビティを楽しむのに最適。爽やかな風の中、山で、
川で、湖で、大自然を思い切り遊びつくそう。

Discover life in nature

Photo: ©︎silvainc

Scroll

ハイキングから
本格登山まで

日本百名山にも数えられる「羊蹄山」を筆頭に多彩な山々に囲まれたニセコ。整備されたコースも多く、気軽なハイキングから本格的な登山まで、体力や年齢に合わせた山歩きが楽しめる。

羊蹄山

富士山に似た円錐形の姿から“蝦夷富士”とも呼ばれる「羊蹄山」は、健脚なら一度は登りたいニセコの名峰。頂上までは険しい道もあるため、登山ガイドを頼むのもおすすめ。

ニセコトレイル

地元山岳会による整備活動の末、2024年遂に本格開通した「ニセコトレイル」。ヒラフ坂から日本海の雷電海岸までニセコ山系の山々をつなぐ。

緑の中を走り抜ける

大自然を走り抜ける爽快感を求め、多くのサイクリストが訪れる夏のニセコ。自然の地形やスキー場の斜面を利用したトレイルなどMTBコースも充実。ロードレースやサイクルイベントも多数開催される。

フロートレイル

ニセコ東急 グラン・ヒラフとNAMBA(Niseko Area Mountain Bike Association)のトレイルが接続予定。完了すれば、国内最長クラスの総延長となる。

ニセコクラシックレース

2014年の初開催から毎年参加者を増やし続ける、道内最大級の自転車競技大会「ニセコクラシックレース」。国内外の市民ライダーが、羊蹄山麓で熱戦を繰り広げる。

透き通る水上へ漕ぎ出す

豊かな水資源を活かした夏らしいアクティビティも楽しめる。経験豊富なガイドスタッフに導かれ仲間と共に大自然の中へ漕ぎ出す、清々しい一体感も醍醐味。

ラフティング

雪解け水で尻別川の水位が増す春は、難易度の高いスリリングなラフティングを楽しめる。

シーカヤック

ニセコ発着の送迎付きで気軽に参加できる、積丹半島シーカヤックツアー。透明度が高く、宙に浮いているような感覚になるほど。

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