ニセコ グラン・ヒラフ

エコル日記

カテゴリー: その他

エキノコックス駆除 第3回

| カテゴリ: その他

こんにちは。エコル・kiyoshiです。

 

今日はエキノコックス駆除 今シーズン第3回めのベイト撒きに行ってきました!

 

まずは車でエコル前から1,000m台地まで上がりました。

ノウゴウイチゴ

 

ノウゴウイチゴ2

 

1,000m台地の周辺では、このノウゴウイチゴがたくさん実っていました。かわいいですねー!

 

DSC02581

エコルの前の原っぱでは、今年もこのハクサンチドリが咲いてくれていました。毎年、3株だけ、花が咲きます。

あるところにはたくさん群れて咲きますが、エコルの前ではいつも、たったの3株です。もっと咲いてくれていいのに・・・。

マルバシモツケ

エコルの前ではおなじみの、マルバシモツケも、ピンク色のつぼみに星型の割れ目が入り、まもなく花が咲きそうな様子でした。

 

 

天気が良かったので、鏡沼とその周囲の湿原は、とてもきれいでした。

鏡沼

 

ヤマドリゼンマイ

ヤマドリゼンマイの新緑が目にまぶしかったです。

 

こんな感じのいでたちで、手に提げた袋に入った「ベイト」を、トングでつかんで、100mくらいおきに、ポイッ!ポイッ!とまいて歩きます。

ベイト撒き

 

ベイト

これがベイト。ベイトとは、「えさ」の意味で、キツネに食べてもらうためのエサです。魚のすり身に、駆虫薬が練りこんであります。そしてキツネに見つけてもらいやすいように、魚粉を発酵させたにおいがつけてあります。このにおいがなかなか強烈ですので、散布する際にトングは欠かせません。

 

ファミリーコースから歩いて下りながらベイトを撒いていると、折りよく2匹のキツネがいました。夏は食べ物が不足するのか、ゲッソリ痩せて、かなり目つきの鋭いキツネたちでした。少しはなれたところにベイトを置いて、「食べてネ~!」と声をかけて立ち去ると、おいしそうにベイトを食べていました。

キツネ

ヨシヨシ。これでこのキツネ家族は、エキノコックスを宿すことなく、この夏を過ごすことができるでしょう。そしてこの、体がキレイになったキツネ家族がグラン・ヒラフ場内をナワバリとして居ついてくれれば、エキノコックスを宿した他のキツネがこの地に来るのを抑えることが出来ます。頼んだよ!

 

ところで、今日、ベイトをまきながら下りてきたファミリーコースには、途中にとてもきれいな沢が流れています。

手を浸しているとビリビリしびれるくらいに冷たい水がジャンジャカ流れていました。

今日はとても蒸し暑かったこともあり、この沢水で顔を洗ったり、のどを潤すのは最高に気持ちよかったです。

沢水

じつは、一般的に(とくに本州から来る登山者の間では)北海道の山の水は、エキノコックスの虫卵に汚染されている可能性があるので、そのまま飲んではいけない、とされています。ですが実感として、これだけの流量のある沢水の全てが、キツネの糞によって汚染されているとは考えにくいです。エキノコックスの虫卵が、沢の流れに運ばれてくる可能性はゼロではありませんが、極めて低いと思われます。むしろ気をつけるべきは、流れの緩やかな水や、溜まり水などでしょう。また、そういった水を日常的に生活用水として利用する際には、やはり煮沸してから用いた方がいいでしょうね。あとは、山菜や、犬やキツネがうろうろしている畑でとれた野菜などは、よく洗い、火を通してから食べたほうがいいでしょう。

エキノコックス症は、毎年、20名前後の方が北海道で発症しています。毒キノコや毒草で命を落とす人数よりこちらの方がはるかに多いですので、気をつけましょう!もちろん、せっせとエキノコックス駆除に励んでいる、われらがグラン・ヒラフスキー場内や倶知安町などでは、エキノコックスに感染してしまう可能性は非常に低いです。この、エキノコックス駆除の取り組みは、観光や一次産業にとってとても意義のあることだと思います。全道でやればいいのに!といつも思います。

それではまた。

 

 

きのこの講義を行ってきました!

| カテゴリ: きのこの話, その他

こんにちは。エコル・kiyoshiです。

 

先週、札幌の北星学園大学短期大学部で、1年生の授業の臨時講師をつとめてまいりました!

DSC02030

(写真撮影 風戸真理)

学生さんたちは「生活創造学科」に在籍し、我々の暮らしを食や生業など多方面から学んでらっしゃいます。
そこで、日本の自然から得られる食材のひとつとして「きのこ」をとりあげ、きのこがどういう生き物で、森の中でどういう働きをしているのか、また食材として野生のきのこを扱う場合の注意点等について、お話してまいりました!

 

ほの暗い講義室で、プロジェクターで資料を投影しながらマジメなお話をしたのと、午後の授業だったこともあり、眠くなっちゃう方がいないではありませんでしたが(笑)、授業後の学生さんたちからの感想を見てみると、なかなか感触はよかったようです。

DSC02026

(写真撮影 風戸真理)

普段、スーパーマーケットの野菜売り場や、あるいはお鍋の中でぐつぐつ煮られている姿しか見ることのない「きのこ」たちが、森の中でイキイキと生きているときの姿の写真や、きのこが森の中で樹木を殺したり助けたり、分解したりしているというお話は、都会っ子の皆さんには新鮮な驚きだったようです!

 

エコルとグラン・ヒラフのPRもバッチリしてきました(笑)。皆さんぜひ、今度はニセコグラン・ヒラフで私と一緒に森やゲレンデを歩きましょう!野外で実物に接すると、面白さ倍増です!もちろん、お泊りはホテルニセコアルペンか、SHIKIニセコへどうぞ!

 

私としても、100人もの大勢の前でお話をしたのは初めてでしたので、いい経験をさせていただきました。

お招きくだださった風戸先生、ありがとうございました!

 

こういった形での「エコル」もアリだと思いますので、「きのこや自然についてしっかり学びたい」というご要望がございましたら、ぜひお問い合わせください。

 

明日は、エコル「自然楽しみ隊」お試し設定日の第2回目。今、ニセコの森は緑にあふれ、とっても気持ちが良いですよ。たくさんのお申し込み、ありがとうございます。じっくりゆっくり、自然を見て、楽しみましょう。

DSC02319

 

皆様のご利用をお待ちしております♪

エキノコックス駆除 第1回

| カテゴリ: その他

こんにちは。エコル・kiyoshiです。

 

エコルファンの皆様、お元気でお過ごしでしたでしょうか?私は今年も春のきのこちゃんたちから元気をいただいております。

 

さてさて、先日、今シーズン第1回のエキノコックス駆除「ベイト撒き」を行いました!

 

くるま

車でスキー場内をまわり、ベイトをポイ、ポイと撒いていきます。

 

ベイト

これが「ベイト」。ベイトとは「えさ」の意味で、キツネが好んで食べる材料に、駆虫薬が練りこんであります。

これを食べたキツネは、腸の中にもしエキノコックスというコワーい寄生虫がいても、身体の外に排出されちゃって、キレイな身体になります。

 

エキノコックスについて少しおさらいをしますと、エキノコックスというのは、とてもとても小さな虫で、成虫がキツネの腸に、幼虫がおもにネズミの肝臓に寄生しています。

キツネの腸の中にいる成虫は、卵を産みます。卵はキツネの糞に混ざって、出てきます。その卵がネズミの口から、ネズミの体内に入ると、(どうやって移動するのか知りませんが)幼虫となってネズミの肝臓に住み着きます。幼虫は肝臓で分裂して数を増やし、数週間でネズミの肝臓は肥大し、おなかがパンパンに膨らみます。そうなるとネズミはまともに走ったりできなくなりますので、容易にキツネに捕まって、食べられちゃいます。するとエキノコックスの幼虫は、まんまとキツネの腸内にたどり着き、そこで成虫となって、また卵を産む・・・ということを繰り返しています。

キツネにとっては、何の害もない虫なのですが、ネズミからしてみれば、致命的な寄生虫です。エキノコックスにとっては、人間はキツネではなく、ネズミに見えちゃうらしいので、エキノコックスの卵が人間の口から体内に入ると、ネズミと同じように肝臓で幼虫が増え、重篤な症状をもたらします。ネズミの肝臓はとても小さいので、症状が現れるのもすぐですが、人間の場合は肝臓がデカいですので、症状が現れるまで10年もかかったりします。潜伏期間がとても長く、また、発症すると外科的に切除するしか治療法がありません。また時に肝臓以外の箇所に転移することもあり、命にかかわる、おそろしい寄生虫です。

 

そんなおそろしい寄生虫も、この「ベイト」を夏のあいだ、月に1回、撒くことで、キツネもネズミも傷つけることなく、やっつけることが出来ます!

現在、北海道では平均40パーセントものキツネがエキノコックスに感染しています。(!!!)

ところが、このベイト撒きを実施している地域では、感染率が1パーセント未満に抑えられている、という素晴らしい調査結果が出ているところもあり(数年前の倶知安町のデータです)、毎年ベイト撒きを行っているグラン・ヒラフ場内も、エキノコックスに関しては、かなり低いレベルに抑えられていると思われます。とはいえ、予防の基本として、野外で過ごした後には手を洗うことや、山菜、きのこなどはよく洗い、火を通してから食べる、といったことはとても大事ですね。

このベイト撒きの事業は、NPO WAOニセコ羊蹄再発見の会および倶知安風土館のご協力で実施しています。

この取り組みが、全道にひろがっていけばいいですね。

羊蹄山

スキー場内は、雪解けが進み、とても気持ちよかったです。

青空

 

 

温泉沢

ふもとでは春紅葉が見ごろを迎えています。

春紅葉

 

今年のエコルの営業はサマーゴンドラと同じく7月19日から、始まります。

 

6月の間は、麓での自然観察メニューをいくつか開催する予定です。

詳細は後日UPします。

それでは皆様、今年もエコルでニセコの自然をじっくりゆっくり、楽しみましょう!

皆様のご来場お待ちしております。

1 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 32