ニセコ グラン・ヒラフ

エコル日記

小さきものに幸あれ by kiyoshi

| カテゴリ: きのこの話, じみな植物

こんばんは!エコル担当kiyoshiです。
今日も天気が良くて暖かい、気持ちのいい一日でした。
ゴンドラに乗るとすぐに、こんな赤い葉っぱが目を引きます。
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とても鮮やかです。きれいですね。これはヤマウルシです。きれいだからといって葉っぱを摘んでもって帰ったりすると、人によってはかぶれてしまいます。気をつけましょう。もう少し標高の高いところにくれば、ツタウルシもきれいです。木に絡み付いている、赤い葉っぱがツタウルシ。秋にはかぶれる成分を多く出すらしいので、こちらも気をつけましょう。
紅葉話はいまいちテンションが上がらない(笑)ので、今日いつもとは違うところで見つけたきのこのことを紹介します。


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普段入らない方のコケの原っぱに、自然観察ツアーでお客さんを案内したときに発見しました。むむっ!いつの間に!新手のきのこ…!これも名前はわかりません。雰囲気的にあまり美味しくなさそうな…。フウセンタケ科か、モエギタケ科か…?これもスギゴケの生えているところにしか見られなかったので、何かしら関係があるのでしょう。
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マイヅルソウの実。たくさんありました。透明感があって、きれいです。美味しそうなので、以前食べてみたことがありますが、美味しくなかったですね。人間の味覚と、鳥さんやなんかとの味覚は相当違うのでしょう。
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昨日の夕立の水分で、コケの緑がしっとりと美しいです。いま、コケたちは新しい葉っぱを伸ばしています。胞子を作る器官「サク」も、ところどころで新しく作られています。そういえば春、雪が解けるとすぐにスギゴケのサクが伸びていたので、この秋のうちに器官を作って、雪の下で越冬するのでしょう。コケ。他の一般的な植物とはサイクルが違うようです。面白い生き物ですね。
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昼頃まで、昨日の水分が結露した水滴が残ってました。コケの新緑。コケには水滴がよく似合います。
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ちょっと前から出てるコケのきのこ。並んで出ています。よくみると輪っかになっているところがあります。こういうきのこの出方を、「菌輪」といいます。ヨーロッパではこれをフェアリーリング、といいます。夜のうちに妖精が踊ってできた跡とされています。この輪っかの中に入ると、妖精の世界に連れ去られる、なんていわれているそうです。
このきのこの輪っかは、毎年外側へ大きくなっていきます。このきのこの本体は、じつは地面の中にいる菌糸です。菌糸が広がっていくのにつれて、このきのこの輪っかも広がっていきます。ですから、場合によってはとんでもなく大きな輪っかが形成されていることがあります。アメリカで行われた調査では、何ヘクタールにもわたってナラタケの菌輪がひろがっていたケースがあるそうです。その生物体の量を計算すると、地球上でもっとも大きな生き物はじつはきのこだった、なんて話もあります。小さいから微生物というのですが、じつは大きかったりするのです。