ニセコ グラン・ヒラフ

エコル日記

寄生・共生 by kiyoshi

| カテゴリ: きのこの話, 花の話

こんばんは!エコル担当kiyoshiです。
今日は麓は天気良かったようですが、山はすっきりしない一日でした。
たまーに、ニセコのピークが見えてました。
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おおー。かっちょいいー!!
さて、今回は生物の関係について注目してみましょう。


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山頂への登山道の途中にベンチが設置してありますが、その下にきのこが
出てました。
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おなじみ、ヤマイグチですね。
こいつは後ろのダケカンバと菌根を作って、栄養のやり取りをするお互いに
ハッピーな関係をつくっています。複数の生物のこういった関係を「共生」と
いいます。
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それとは対照的な関係が、こちらです。これはミヤマアキノキリンソウですが、
変に丸い塊がついてます。つぼみのようにも見えますが、でかすぎます。
割ってみましょう。
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うわ!虫だ!何か黄色いイモムシがいます。何の幼虫かは分かりませんが、
このこぶを食べて、生きているようですね。
植物に虫が取り付いてこんなふうになっているものを虫こぶといいます。虫が
花のつぼみに卵を産み付けると、植物の側がこのようなこぶを作るのですね。
もしかしたら、虫の側がそうさせる物質を分泌するのかもしれませんが。
こういった一方的に相手の生物から栄養をいただいちゃう関係を「寄生」といい
ます。ミヤマアキノキリンソウの側からしてみれば、何もいいことがありません。
寄生というやり方をしている生き物はけっこうたくさんいます。上手に寄生してい
る奴らは、宿り主にあまり迷惑をかけません。寄生虫博士として有名な藤田紘
一郎先生の講演を聞いたことがありますが、野生のクジラ類には例外なく寄生
虫がついていて(もちろん健康に暮らしていて)、もしも寄生虫のいないクジラが
いたとすれば、それは野生状態として不完全な、不健康なクジラだ、なんておっ
しゃってました。人間にも、サナダムシがいたほうが、もしかしたら健康なのかも
しれません。
エコルでは、カタツムリに寄生している「リュウコクロリディウム」という強烈にへん
てこな生き物を飼育してますので、ぜひご覧になってください。