こんにちは。目下エコル展示の準備に追われている、エコル・kiyoshiです。
ブログの更新をずいぶん空けてしまい、すみませんでした。
ニセコの野山は日に日に緑色を増し、夏へと装いを変えてきています。
今日は、アルペンホテルのまん前で見つけた、足もとの小さな植物を紹介します。
上の写真は、これこそが、かの、今、巷で咲きまくっている、セイヨウタンポポです。
芝生やあぜ道、庭先、公園、どこに行っても必ず目にするこのお花ですが、たくさん群生している様は、外来種とはいえ、とてもきれいですね。夏、エコルのまわりでたくさん咲いている、よく似た花は、ブタナといいます。花だけ見たらほとんど同じですが、背の高さや咲き方、葉っぱの様子などは、かなり違います。
アルペンホテル前の芝生の中で、咲いていました。オオタチツボスミレ。スミレの仲間は、すっっごくたくさんあって、どれもよく似ているので、うかつに名前を添えられないのですが、この佇まいからして、まず間違いないでしょう。
オオタチツボスミレは、数あるスミレたちの中では、身近なところでよく見るスミレです。
そのすぐ近くに、こんな小さな豆ざやみたいなのがありました。
赤く熟した豆ざやを指で割ってみるとこんな感じ。
かわいいタネが並んでいました。タネの直径は2ミリくらい。ちっちぇえー!
これはエゾエンゴサクのタネなんですが、エゾエンゴサクといえば、タネをアリが運ぶことで知られています。
この写真も良く見ると、タネに何だか白いものが付いています。これが、アリさんの好物、エライオソームというものです。
アリさんは、エライオソームが大好きなので、エライオソームの付いた種を、せっせと巣穴に運びます。で、巣穴でエライオソームをかじりとって、タネは巣の近くに捨てます。そうやって、エゾエンゴサクはアリさんにタネを運んでもらっているんだそうです。
どうせタネからエライオソームを切り取っちゃうんなら、運ぶ前にかじりとって、エライオソームだけ持ってけばよさそうなものですが、アリさんはどういうわけかちゃんと、タネごと運ぶんだそうです。えらいなぁ。
オサムシの仲間にも、このエライオソームを好んで食べるのがいるそうですが、こちらは、エライオソームの付いたタネを見つけると、その場でエライオソームだけをムシャムシャ食べちゃうんだそうです。植物の側からすると、それだけを食べられちゃったんじゃ、困りますね。
エライオソームの付いたタネは、このエゾエンゴサクをはじめ、カタクリやエンレイソウ類や、スミレの仲間など、春に見られる花たちによく見られる仕組みです。エゾエンゴサクはケシ科、カタクリやエンレイソウ類はユリ科、スミレはスミレ科と、科が違うのに、同じ時期に花や種をつける植物が、同じ仕組みを持っているというのは面白いですね。
最後にこちら。今、芝生や、道端、いたるところにこんな芽生えが見られますが、これはアカイタヤというカエデの実生です。今年は何だかとても多いような気がします。
アカイタヤのタネは、プロペラ状の形をしていて、秋から冬にかけて、風に乗っていたるところに飛んでいきます。そして日差しの当たるところに落下したタネが、春になると、こうやって芽を出すんですね。
そのすぐ近くに、こんなのも生えてました。
アカイタヤの、赤みを帯びた葉っぱによく似ていますが、こちらはツタウルシの新芽です。活動が盛んな今時期は、この芽をうっかり手で摘んだりすると、かぶれる体質の人はひどい目にあいますので、ご注意ください。
野山はいろんな植物が出てきました。春から初夏にかけて、野山はものすごい勢いで日に日に姿が変わっていきますので、何気ない光景の中にも、よく見ると面白いものがたくさん潜んでいます。ぜひ皆様、身近な自然を観察してみてください。
エコルでの自然観察は今年は6月23日からオープンします。待ち遠しいですね。
オープンまでの間にも、ニセコの自然で、「よく見るけど、なにコレ?」みたいな気になることがありましたら、こちらのブログにコメントしてください。わかる範囲でお答えしますよ!