ニセコ グラン・ヒラフ

エコル日記

美しきかなコケ! by kiyoshi

| カテゴリ: じみな植物

こんばんは!エコル担当kiyoshiです。
今日もいい天気。淡い色の澄んだ青空に羊蹄山がきれいでした。
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風の冷たい、秋の空気です。標高820mのエコルは正直寒いです!長袖必携です。
そしてこの時期、コケが青々としてきました。今回はコケに注目してみましょう。


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このコケがエコル周辺に一番多いコケ。スギゴケの仲間。形がスギの葉っぱに似ているからスギゴケ。
スギゴケにもいろんな種類があるらしくて、細かい種名までは手元の図鑑ではわかりません。
いま、みずみずしい緑に繁っていて、とてもきれいです。
このスギゴケは5センチくらいの高さで繁っているのですが、その根元がどんな感じなのかちょっとかきわけてみると…
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なんじゃこりゃー!?小っちぇえー!!たぶん違う種類のコケだと思いますが、こんなのがスギゴケの下の暗がりに生えてました。その高さにはきのこの菌糸とおぼしきものもはびこってます。こんなちっちゃいコケの世界でも、その空間を利用しているさらに小っちゃい奴らがウヨウヨしているのですね!
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そしてこのスギゴケの原っぱをよーく見ていると、ところどころにこのように丸く枯れている部分があるのに気づきます。たいてい、きれいな円形で、枯れているところと繁っているところの境目がやけにはっきりしています。まるで、ミステリーサークルです。ちっちゃいですけど。もしかしたらここの原っぱに住んでいるバッタたちは、キャトルミューティレーションとかされちゃっているのかもしれません。(←それはないだろ)
実際のところ、これがどういう現象なのかはよくわかりませんが、わたくしは菌のしわざじゃないかと思っています。このコケの根元にはほぼ例外なく菌糸が蔓延しています。そしてこのスギゴケとセットで生えているきのこがある、ということと、そのきのこが輪になって生えている、という点が怪しいのです。コケ先生をつかまえて、確かめてみたいところです。
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土のあるところにはスギゴケが広がっていますが、石の上にはこんなコケが生えています。スギゴケよりもずっと小さくて、黄緑色が鮮やかなコケです。そのほかにもよく見ると、エコルの周りの原っぱには何種類かのコケが生えています。
むかーし、理科の授業で植物の分類を、進化している順番でこんなように声に出して覚えました。「ヒシ、ラシ、シダ、コケ、ソウ、キン、バ」。被子植物(一般的な植物。木や草で花を咲かせるもののほとんど)、裸子植物(ソテツや針葉樹など)。シダ。コケ。藻類(主に光合成をする微生物)。菌類(カビやきのこなど)。バクテリア(原生動物)。進化の順番は、厳密に言うともう少しややこしいようですが、だいたいこんなところです。
今の地球上は被子植物が森林や草原を作っていて、天下を取っているようにも見えますが、その足元、目立たないところで小っちゃいやつらがうごめいています。エコルの周辺の原っぱではシダの群落も多いですし、このブログにやたら出てくるヒカゲノカズラはシダの仲間です。
そしてなんたって面白いのは微生物。地球上に現れた年季が違います。きのこを作るような菌類は比較的新しい種族だそうですが、その他の微生物たちはずっと前から地球上にあまねく君臨していました。今現在の生態系も微生物なしには成立しません。これからもずっとそうでしょう。われわれ人間も、消化器官の中は微生物でいっぱいです。体の表面もそうです。
われわれ人間は、この地球を自分のもののように好き放題やっていますが、生物たちが織り成す絶妙のバランスの上で成り立っているのがわれわれの生命です。ちっちゃい生き物にも敬意を払わにゃいかんなぁ。なんてことを美しいコケのジャングルに見入っていて、思いました。